2016年9月19日月曜日

お米の貯蔵方法について

久しぶりの投稿になりますが、8月中旬~下旬にかけて、facebookでお米の貯蔵方法について話題にしましたので、取りまとめて保存版にしておきます。

お米は精米すると白米にしろ分搗き米にしろ、蒔いても発芽しない死に米となり、時間とともに酸化もしますので、玄米で貯蔵して炊く直前に精米するのが美味しく、健康にもいいのです。

でも、その玄米も、籾摺り機の性能にもよりますが、籾摺り時に玄米の表面に傷がつき、そこから酸化して、時間とともに生命力=発芽率が落ちます。

ただ、玄米の状態で低温貯蔵すると発芽率は落ちにくくなり、常温では一年もすると完全な死に米になりますので、低温貯蔵がいいのです。

  【参考】https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsam1937/66/3/66_3_51/_article/-char/ja/

      「本文PDF」を開くと、56頁の「表5」に籾摺りして12ヶ月貯蔵後の貯蔵温度別の発芽率等のデータが載っています。

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsam1937/66/3/66_3_51/_pdf


    5℃で貯蔵すると、1年経ってもほぼ90%以上の発芽率なのに、25℃で貯蔵したものは0%、つまりまったく発芽しない死んだ米になるのです。

    だから、真空包装の玄米でも、開封したら冷蔵するのが一番。

また、玄米は呼吸しているので真空包装にすると酸化はしなくても死んでしまうとの説がありましたが、どうやら空気に触れても発芽率は落ちますので、真空包装が一番いいようです。

  【参考】https://agri-1.com/culture/hatugatest.html

     玄米は生きていますので当然呼吸しています。

    そして呼吸することによって内部の分解酵素が働きます。

    この酵素作用が進むほど、玄米は古米化して行くことになります。

    鮮度を保持すること、言い換えれば古米化を遅らせるためには、一つは、呼吸を出来るだけ少なくすることであり、もう一つは、酵素作用を抑制することです。


マクロビオティックを提唱された桜沢如一先生の著書にも籾摺りしたての「今すり米」という言葉が随所に登場しますが、籾を低温貯蔵して、「今すり米」で食すか、もしくは籾摺りしてすぐに真空包装して低温貯蔵するのが理想的ですね。

また、ご家庭でも開封したら冷蔵保管がおすすめです。

特に発芽玄米で召し上がられているご家庭ではなおさらです。

せっかく発芽玄米機能付きの炊飯器を使っても、初めから死に米だったら腐るだけですから・・・